- ブラックメタルってどんなジャンル?
- どんなバンドがいる?
- 名盤をまとめて教えてほしい
こんな疑問にお答えします。
この記事は元外資系CDショップのメタルバイヤーでメタル歴25年のゆうきち@yukichi_campが書いています。
まずはブラックメタルとは?からざっくりと解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- ブラックメタルとは
- ブラックメタルおすすめの名盤10選
- 1. MAYHEM「De Mysteriis Dom Sathanas」(1994)
- 2. EMPEROR「In the Nightside Eclipse」(1994)
- 3. DIMMU BORGIR「Spiritual Black Dimensions」(1999)
- 4. CRADLE OF FILTH「Cruelty And The Beast」(1998)
- 5. SATYRICON「Now, Diabolical」(2006)
- 6. DARKTHRONE「Transilvanian Hunger」(1994)
- 7. MARDUK「Panzer Division」(1999)
- 8. DARK FUNERAL「The Secrets Of The Black Arts」(1997)
- 9. DISSECTION「The Somberlain」(1993)
- 10. ALCEST「Souvenirs D’un Autre Monde」(2007)
- 【ブラックメタル名盤10選】まとめ
ブラックメタルとは
スラッシュメタルをサタニックに激化し、以下の過激な思想を掲げたヘヴィメタルです。
- 反キリスト
- 悪魔崇拝
- 黒魔術
「死体」をイメージした白塗りの【コープスペイント】がトレードマークとなっています。
歴史
ブラックメタルのルーツとなるのはサタニックなイメージを持った以下のバンドたち。
とくにVENOMが1982年にリリースした2ndアルバム「Black Metal」の影響は絶大です。
アルバムタイトルがブラックメタルの語源となっただけでなく、サウンド面においても、ノイジーで薄っぺらいギターが炸裂疾走する音楽性はブラックメタルの原点となりました。
ブラックメタルの開祖はノルウェーのMAYHEM。
MAYHEMが1987年にリリースしたデビューEP「Deathcrush」はいわゆる「ブラックメタルサウンド」とは異なり、サタニックなスラッシュメタルといえる音楽性でした。
しかし、当時サタニックと言われたバンドよりも圧倒的に凶悪で禍々しいサウンドはノルウェーのアンダーグラウンドシーンを刺激。
以下のバンドが次々に結成されていきます。
1990年頃にノルウェーのブラックメタルシーンが形成されると、そこからスウェーデンなど北欧地域〜ヨーロッパ〜アジア〜アメリカへと影響が波及。
まだまだアンダーグラウンドなレベルでしたが、世界各地でブラックメタルバンドが誕生します。
そんなブラックメタルの存在が世間に知れ渡ったのは90年代初頭。
ノルウェーのブラックメタルバンドのメンバーが関与していた「誰が一番邪悪か」を競い合うアンダーグラウンド集団【インナーサークル】が起こした以下の事件でした。
- デッド(MAYHEM)→自殺
- ヴァーグ・ヴァイカーネス(BURZUM)→ユーロニモス(MAYHEM)刺殺、放火
- ファウスト(EMPEROR)→殺人、放火
- サモス(EMPEROR)→放火
- ツォート(EMPEROR)→傷害事件
これらのセンセーショナルな事件が社会問題となり、ブラックメタルは注目を集めることに。
その後、ブラックメタルは思想の有無は別として、音楽スタイルとして定着。以下のように音楽性を拡張ながら多様化していきます。
- メロディックブラック
- シンフォニックブラック
- ヴァイキングメタル
- ブラックゲイズ(ポストブラック)
- デプレッシブブラック
- アトモスブラック
2001年にはSLIPKNOTが2nd「Iowa」でブラックメタル要素を導入するなど、アメリカでもブラックメタルがトレンド化。
巨大メタルフェスティバル【オズフェスト】にCRADLE OF FILTHやDIMMU BORGIRが出演したことも象徴的な出来事でした。
おもな特徴
- トレモロリフ
- 爆速ブラストビート
- 絶叫
- 荒涼とした叙情性
- コープスペイント
- ローファイなサウンド
ブラックメタルおすすめの名盤10選
▶ 各楽曲30秒試聴できます!
1. MAYHEM「De Mysteriis Dom Sathanas」(1994)
ノルウェー出身のブラックメタルバンドの1st。
殺人や教会破壊など数多くの事件とセットで語られるブラックメタルの象徴的名盤。
呪文のようなヴォーカルが独特すぎて、フォロワーを産むことがまったくなかった。
おすすめ曲:1、2
2. EMPEROR「In the Nightside Eclipse」(1994)
ノルウェー出身のブラックメタルバンドの1st。
暴虐性と叙情性を両立し、荘厳ささえ感じる歴史的名盤。
後続への影響は絶大で、特にブラックメタルの地位を高めた功績ははかりしれない。
おすすめ曲:1、7
3. DIMMU BORGIR「Spiritual Black Dimensions」(1999)
ノルウェー出身のシンフォニックブラックメタルバンドの4th。
シンフォニックパートの美麗さと攻撃性が高い次元で激突する一枚。
クリーンヴォーカルの導入がよりいっそうドラマティックに響く。
おすすめ曲:1、2
4. CRADLE OF FILTH「Cruelty And The Beast」(1998)
イギリス出身の耽美系ブラックメタルバンドの3rd。
オリジナル盤では非力にパタパタ鳴るドラムが残念だったが、このリミックス盤では大きく改善し、迫力が倍増している。
まるでホラー映画を見ているかのような、陰惨でドラマティックな作品。
おすすめ曲:2、6
5. SATYRICON「Now, Diabolical」(2006)
ノルウェー出身のブラックメタルバンドの6th。
禁じ手とも言えるダンサブルなグルーヴを大胆に導入し、ブラックメタルの表現方法が暴虐性のみではないことを証明した画期的な作品。
北欧らしい叙情系ブラックを聴きたいなら3rd「Nemesis Divina」がおすすめ。
おすすめ曲:1、2
6. DARKTHRONE「Transilvanian Hunger」(1994)
ノルウェー出身のブラックメタルバンドの4thで「Peaceville3部作」の最終章。
プリミティブでノイジーなサウンドは前2作と変わらずも、ほのかな叙情性とサウンドに厚みが加わり聴きやすさが増した。
以後は実験的な作品を多数リリースするが、ピュアなブラックメタルとしては本作を含む「3部作」がおすすめ。
おすすめ曲:1、8
7. MARDUK「Panzer Division」(1999)
スウェーデン出身のブラックメタルバンドの6th。
叙情メロを排除し、徹底的に「スピード」にこだわった、狂気のファストブラック。
MARDUK版「Reign In Blood」とも言える、スピードマニア必聴の一枚。
おすすめ曲:2、3
8. DARK FUNERAL「The Secrets Of The Black Arts」(1997)
スウェーデン出身のブラックメタルバンドの1st。
悲壮感漂う泣きメロを吹雪のように荒れ狂うブラストに乗せて爆走する。
これぞメロディックブラックの王道といえる名盤。
おすすめ曲:3、4
9. DISSECTION「The Somberlain」(1993)
スウェーデン出身のメロデス/ブラックメタルバンドの1st。
美しくハモるツインギターが邪悪に炸裂疾走するメロディックブラックメタルの先駆的作品。
次作「Storm Of The Light’s Bane」も負けず劣らずの名盤なのでぜひ。
おすすめ曲:1、2
10. ALCEST「Souvenirs D’un Autre Monde」(2007)
フランス出身のブラックゲイズ(ブラックメタル+シューゲイザー)バンドの1st。
トレモロリフを軸に、シューゲイザーやポストロックのような内省的サウンドを融合した衝撃作。
過激さとは異質の美しい轟音はトレンドとなり、多数のフォロワーを生んだ。
おすすめ曲:2、3
【ブラックメタル名盤10選】まとめ
以上、ブラックメタルの名盤を紹介しました。
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