- グラインドコアってどんなジャンル?
- どんなバンドがいる?
- 名盤をまとめて教えてほしい
こんな疑問にお答えします。
この記事は元外資系CDショップのメタルバイヤーでメタル歴25年のゆうきち@yukichi_campが書いています。
まずはグラインドコアとは?からざっくりと解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- グラインドコアとは
- グラインドコアおすすめの名盤10選
- 1. NAPALM DEATH「Scum」(1987)
- 2. BRUTAL TRUTH「Extreme Conditions Demand Extreme Responses」(1992)
- 3. TERRORIZER「World Downfall」(1989)
- 4. CARCASS「Symphonies Of Sickness」(1989)
- 5. PIG DESTROYER「Prowler In The Yard」(2001)
- 6. REPULSION「Horrified」(1989)
- 7. AxCx「Everyone Should Be Killed」(1994)
- 8. ASSUCK「Misery Index」(1996)
- 9. NASUM「Human 2.0」(2000)
- 10. THE BERZERKER「The Berzerker」(2000)
- 【グラインドコア名盤10選】まとめ
グラインドコアとは
ハードコア/パンクから派生し、そこにブラストビートを主軸とした高速リズムとメタルの重厚感を加えたもの。(ブラストビートとはスネアドラムをダダダダダ……と連続で叩くテクニックのこと)
「グラインドコア」という名称はNAPALM DEATHのミック・ハリス(Dr)が考案したと言われています。
歴史
イギリスのNAPALM DEATHが1987年にリリースしたデビュー作「Scum」から歴史はスタートします。
そのケタ違いのスピードと爆風のような轟音でシーンに衝撃を与えました。
それ以前にもブラストビートを部分的に使用したバンドは存在していたものの、リズムの主軸に据えたのはNAPALM DEATHが初めてでした。
80年代末、イギリスからはCARCASSやEXTREME NOISE TERRORが台頭。
同時期にアメリカからもTERRORIZERやREPULSIONが登場し、アンダーグラウンドながらグラインドコアは一大ムーブメントとなりました。
しかしムーブメントは長く続かず、90年代に入るとデスメタルに接近するなど音楽性が拡散。純粋なグラインドコアバンドは激減するものの、決して消滅することはなく現在に至ります。
また、グラインドコア最大の特徴であるブラストビートはデスメタルを始めとするエクストリームメタルに広く受け継がれています。
おもな特徴
- ブラストビート
- 極限のスピード
- 怒号のようなヴォーカル
- 1分前後の短い楽曲
- 楽曲の展開が少ない
- ギターソロがない、または短い
グラインドコアおすすめの名盤10選
▶各楽曲30秒試聴できます!
1. NAPALM DEATH「Scum」(1987)
リー・ドリアン(CATHEDRAL)、ビル・スティアー(CARCASS)、ジャスティン・ブロードリック(GODFLESH)など錚々たるメンバーを擁したグラインドコア界の帝王によるデビュー作。
UKハードコアにメタル成分を注入し、すべてのエクストリームミュージックの原点となった歴史的名盤。
世界一短い楽曲としてギネス認定されている12.「You Suffer」もおなじみ。
おすすめ曲:4、8
2. BRUTAL TRUTH「Extreme Conditions Demand Extreme Responses」(1992)
ダン・リルカ(NUCLEAR ASSAULT)率いるアメリカ出身バンドの1st。
スラッジーなスローパートも積極導入したデスメタルの要素が強いグラインドコア。
カチッとした整合感を強調しているためメタラーはまずは本作から聴くのがおすすめ。
おすすめ曲:2、4
3. TERRORIZER「World Downfall」(1989)
のちにMORBID ANGELに加入するデヴィッド・ヴィンセント(Ba)とピート・サンドヴァル(Dr)、NAPALM DEATHに加入するジェシー・ピンタード(Gt)が在籍した米グラインドの伝説的バンドによる1st。
まさにハードコアとデスメタルの中間をいく完璧なグラインドコア。
サウンドの分離もよくグラインドコア初心者におすすめ。
おすすめ曲:3、15
4. CARCASS「Symphonies Of Sickness」(1989)
NAPALM DEATHを脱退したビル・スティアー(Gt)が結成した「リヴァプールの残虐王」による2nd。
のちのメロディックなスタイルからは想像もつかないような汚いグラインドコアを展開。
爆裂する濁音のなかに見え隠れするメタル的な整合感と気色の悪いメロディは実にCARCASSらしい。
おすすめ曲:1、2
5. PIG DESTROYER「Prowler In The Yard」(2001)
元AxCxのスコット・ハル(Gt)率いる米グラインドコアバンドの2nd。
ベースレス編成、8弦ギターによるタイトかつソリッドなサウンドはスラッシュメタル的ですらある。
アイデアとフックに富んだ本作は、グラインドコアをネクストレベルへと押し上げた。
おすすめ曲:2、3
6. REPULSION「Horrified」(1989)
NAPALM DEATHにも影響を与えた米ハードコアバンドの唯一作。
実は1986年にレコーディングされていたという「グラインドコアの元祖」ともいえる作品。
ブラストビートに乗せてノイズを撒き散らす突貫サウンドは、もはやグラインドコアそのものである。
おすすめ曲:1、4
7. AxCx「Everyone Should Be Killed」(1994)
鬼才セス・プットナム(Vo)率いる米グラインドコアバンドによる衝撃の58曲入りの1st。
「楽曲」とは言い難いようなノイズと絶叫にまみれた即興グラインドの無限往復ビンタ。
悪趣味に違いないが、本作に込められた熱量は常軌を逸している。
おすすめ曲:1、3
8. ASSUCK「Misery Index」(1996)
米フロリダのグラインドコアバンドによる2nd。
緩急自在のリズムと重低リフが激しく交錯するデスメタリックなグラインドコア。
本作はデスメタル系エンジニア=スコット・バーンズが手掛けたため、サウンドは完全にデスメタル。
おすすめ曲:2、3
9. NASUM「Human 2.0」(2000)
スウェーデン出身のグラインドコアバンドによる2nd。
北欧デス譲りのバーストサウンドと痛切なシャウトがタイトに炸裂疾走する。
楽曲は平均1〜2分ながらも練り込まれているため飽きずに聴ける。
おすすめ曲:2、4
10. THE BERZERKER「The Berzerker」(2000)
オーストラリアのデス/グラインドバンドによる1st。
サンプリングやエレクトロな高速バスドラを多用したリズムとデスメタルギターが融合した珍種。
人力を超越したブルータリティーに賛否はあるものの、刺激と先鋭を求めるリスナーにはおすすめ。
おすすめ曲:2、3
【グラインドコア名盤10選】まとめ
以上、グラインドコアの名盤を紹介しました。
もっとグラインドコアをディグるなら、聴き放題のストリーミングサービスがおすすめです。