- ネオクラシカルメタルってどんなジャンル?
- どんなバンドがいる?
- 名盤をまとめて教えてほしい
こんな疑問にお答えします。
この記事は元外資系CDショップのメタルバイヤーでメタル歴25年のゆうきち@yukichi_campが書いています。
まずはネオクラシカルメタルとは?からざっくりと解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
- ネオクラシカルメタルとは
- ネオクラシカルメタルおすすめの名盤10選
- 1. YNGWIE MALMSTEEN「The Seventh Sign」(1994)
- 2. SYMPHONY X「Divine Wings Of Tragedy」(1997)
- 3. ARTENSION「Phoenix Rising」(1997)
- 4. NATION「Without Remorse」(1995)
- 5. AT VANCE「No Escape」(1999)
- 6. TIME REQUIEM「Time Requiem」(2002)
- 7. ADAGIO「Sanctus Ignis」(2001)
- 8. IRON MASK「Hordes Of The Brave」(2005)
- 9. DIONYSUS「Anima Mundi」(2004)
- 10. GOLDEN RESURRECTION「Glory To My King」(2010)
- 【ネオクラ名盤10選】まとめ
ネオクラシカルメタルとは
クラシックにおける以下の要素を全面的に使用したヘヴィメタルのことです。
- 音階
- フレーズ
- コード進行
そして、もれなくギターやキーボードによる速弾きがセットでついています。
- ネオクラシカルメタル→バンドサウンドでクラシカルに演奏
- シンフォニックメタル→バンドサウンドにオーケストラをトッピング
歴史
ネオクラシカルメタルの創始者はスウェーデン出身のギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンです。
1983年、イングヴェイは「シュラプネルレコード」の社長マイク・ヴァーニーに招かれて単身渡米。参加した以下のバンドで披露したクラシカルな速弾きがHR/HMシーンに衝撃を与えます。
- STEELER「Steeler」
- ALCATRAZZ「No Parole From Rock’n’Roll」
バイオリンからヒントを得たという、ギターの指板を縦横無尽に駆け抜ける高速プレイはまさに革命といえるギター奏法でした。
翌1984年リリースの初ソロ作「Rising Force」は作品全体がクラシカルな世界観で統一され、スタイルとしての「ネオクラシカルメタル」を確立。
現在に至るまでその世界観はブレておらず、【ネオクラシカルメタルの絶対王者】としてシーンに君臨しています。
イングヴェイ登場以前にもクラシカルなアプローチをするギタリストはいました。
代表的なギタリストは下記2人。
- リッチー・ブラックモア(DEEP PURPLE、RAINBOW)
- ウリ・ジョン・ロート (SCORPIONS)
イングヴェイ自身も彼らから多大な影響を受けていますが、イングヴェイのスタイルはまさに異次元のものでした。
リッチーやウリのスタイルをさらに新しく発展させたことから【Old】に対して【Neo】ということで「ネオクラシカル」と呼びます。
極論をいうと、
イングヴェイ=ネオクラシカル
ネオクラシカル=イングヴェイ
イングヴェイ以外はすべてフォロワー。
上記の認識はメタルシーンにも定着しており、ネオクラシカル系ギタリストは「イングヴェイのパクリだ」「オリジナリティがない」など否定的な評論を受けることが非常に多いです。
また、ネオクラシカルメタルに関連する動きとして80年代中盤の「速弾きブーム」がありました。
ブームの仕掛け人は先述の「シュラプネルレコード」のマイク・ヴァーニー。
マイクは「速弾きギタリスト発掘人」として有名で以下のギタリストを続々とデビューさせました。
「シュラプネルレコード」所属ではないものの、世界最速ギタリストと言われたクリス・インペリテリも「速弾きブーム」を盛り上げたひとりです。
ただ、上記のギタリストのなかにはネオクラシカルなテイストを持ったギタリストもいましたが、いわゆる「ネオクラシカルメタル」をプレイしていたわけではありません。
おもな特徴
- クラシカルな世界観
- 速弾き
- ハイトーン or 熱唱系ヴォーカル
- メロディックスピードメタルとの融合
- プログレッシブメタルとの融合
- フリルのシャツ
ネオクラシカルメタルおすすめの名盤10選
1. YNGWIE MALMSTEEN「The Seventh Sign」(1994)
元LOUDNESSのマイク・ヴェセーラ(Vo)を起用した7th。
イングヴェイの超絶ネオクラシカルギターとマイクの熱い歌唱が化学反応を起こした名盤。
楽曲、メロディの充実度は本作がズバ抜けている。
おすすめ曲:1、7
2. SYMPHONY X「Divine Wings Of Tragedy」(1997)
マイケル・ロメオ(Gt)率いるアメリカ出身のプログレメタルバンドの3rd。
PANTERA直系のモダンサウンドを導入した、ネオクラシカル系プログレメタルの名盤。
劇的かつミステリアスに展開するメロディもたまらない。
おすすめ曲:1、3
3. ARTENSION「Phoenix Rising」(1997)
ウクライナ出身のヴィタリ・クープリ(Key)を中心とした多国籍バンドの2nd。
メンバー全員が圧倒的なテクニックを誇るネオクラシカル系プログレメタル。
鍵盤とギターの超絶バトルに負けないジョン・ウェストの歌も見事だ。
おすすめ曲:2、5
4. NATION「Without Remorse」(1995)
ジョニー・ウリーン(Gt)率いるスウェーデン出身のバンドの2nd。
シーン屈指の名曲1. を筆頭に王道ネオクラシカルメタルが炸裂する名盤。
ハードポップ的な楽曲も含めて北欧らしさ満点。
おすすめ曲:1、4
5. AT VANCE「No Escape」(1999)
ドイツ出身のパワーメタルバンドの1st。
オリバー・ハートマンのレンジの広い歌唱を活かしたネオクラシカルサウンドが当時日本で評判となった。
派手さはないが、メロディを重視したオーラフ・レンクのギターにも好感が持てる。
おすすめ曲:1、2
6. TIME REQUIEM「Time Requiem」(2002)
「鍵盤魔人」ことリチャード・アンダーソン(Key)率いるプログレッシブメタルバンドの1st。
長尺プログレナンバーをクラシカルなメロディとバカテクで劇的に駆け抜けていく圧巻の内容。
魔人が本領発揮するインスト5.は卒倒するほど凄まじい。
おすすめ曲:2、7
7. ADAGIO「Sanctus Ignis」(2001)
ステファン・フォルテ(Gt)率いるフランス出身のネオクラシカルメタルバンドの1st。
気品漂うクラシカルなメロディとヘヴィなサウンドの対比がロマンティック。
デイヴィッド・リードマン(Vo/PINK CREAM 69)、リチャード・アンダーソン(Key/TIME REQUIEM)などメンバーも実力者揃い。
おすすめ曲:1、7
8. IRON MASK「Hordes Of The Brave」(2005)
ダッシャン・ペトロッシ(Gt)率いるベルギー出身のネオクラシカルメタルバンドの2nd。
繊細さよりもワイルドな魅力に溢れたパワーメタルを聴かせる。
ダッシャンのプレイも荒削りだが、それが逆に勢いを感じさせてアツい。
おすすめ曲:1、2
9. DIONYSUS「Anima Mundi」(2004)
ジョニー・ウリーン(Gt/NATION)を中心としたスウェーデンのバンドによる2nd。
ネオクラシカルギターと叙情メロをふんだんに盛り込んだメロディックパワーメタル。
北欧というよりジャーマンメタルに近いサウンド。
おすすめ曲:1、3
10. GOLDEN RESURRECTION「Glory To My King」(2010)
トミー・ヨハンソン(Gt/REIN XEED)とクリスチャン・リレグレン(Vo/NARNIA)によるバンドの1st。
丁寧にメロディを紡ぐ、正統派メタル寄りのネオクラシカルメタル。
REIN XEEDの弱点ともいえるサウンドとヴォーカルの線の細さを補った快作。
おすすめ曲:1、3
【ネオクラ名盤10選】まとめ
以上、ネオクラシカルメタルの名盤を紹介しました。
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