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エクストリームメタルの源流【スラッシュメタル名盤おすすめ18選】

エクストリームメタル
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  • スラッシュメタルってどんなジャンル?
  • どんなバンドがいる?
  • 名盤をまとめて教えてほしい

こんな疑問にお答えします。

この記事は元外資系CDショップのメタルバイヤーでメタル歴25年のゆうきち@yukichi_campが書いています。

まずはスラッシュメタルとは?からざっくりと解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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スラッシュメタルとは

ひとことで言うと「速いヘヴィメタル」です。

【 thrash = ムチ打つ 】の意味のとおり、ドラムビートがビシバシとムチを打つように聴こえることから「スラッシュメタル」と言われます。

現代の過激なヘヴィメタル(デスメタルやブラックメタルなどを含むエクストリームメタル)は、ほぼスラッシュメタルを通過してきていると言っても過言ではありません。

いわば、すべてのエクストリームメタルの原点です。

歴史

1983年にアメリカのMETALLICAがデビュー作「Kill ‘Em All」を発表し、スラッシュメタルの歴史がスタートします。

スラッシュメタル誕生に大きな影響を与えたのが、イギリスで生まれた次の2つのムーブメント。

①ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル(NWOBHM)

【代表的バンド】

②UKハードコア

【代表的バンド】

NWOBHMの【鋭角なリフ】とUKハードコアの【スピード】をブレンドしたものが「スラッシュメタル」です。

しかし、そのスラッシュメタル誕生前にカナダから「アーリー・スラッシュメタル」とも言える以下のスピードメタルバンドが登場していることも見逃せません。

彼らの登場により、メタルシーンがスラッシュメタルを受け入れる体制が整ったと言えるでしょう。

1983年にMETALLICAがデビュー作「Kill ‘Em All」をリリース。そのスピーディーかつエッジの切り立ったサウンドがアンダーグラウンドで話題となり、後続バンドをおおいに刺激します。

その後、のちにMETALLICAを含めて「スラッシュメタル四天王」と呼ばれる

などのスラッシュメタルバンドの活動が活発化します。

スラッシュメタルの波はアメリカにとどまらず、ヨーロッパや南米など世界へ波及。
とくにドイツでは強力なスラッシュメタルバンドが登場し、以下のバンドを「ジャーマンスラッシュ三羽ガラス」と呼びます。

80年代中盤のメタルシーンは次のように二極化していました。

  • メインストリーム→LAメタル
  • アンダーグラウンド→スラッシュメタル

これを打ち破ったのも、やはりMETALLICAでした。

1986年リリースの3rd「Master Of Puppets」が全米チャート29位を記録する快挙を達成。それまでアンダーグラウンドだったスラッシュメタルがメインストリームに食い込みます

この頃スラッシュメタルシーンはバンドの質も数も充実しており、勢力を拡大し続けていました。また、以下のジャンル形成に絶大な影響を与えています。

しかし、METALLICAが売れたことでスラッシュメタルにもメジャーレーベルが介入。
新人バンドの青田買いが進み、1980年代末にスラッシュメタルは衰退の道を辿ることになります。

90年代に入ると、METALLICAを始め多くのスラッシュメタルバンドがスピードを落とし、ミドルテンポのグルーヴを導入するなど音楽性をチェンジ

90年代中盤からおよそ10年のあいだスラッシュメタルはほぼ壊滅状態に。

2000年代中盤になるとスラッシュメタル復興の動きが起こります。以下の若手バンドを中心としたムーブメントで、これを「ニューウェーブ・オブ・スラッシュメタル」と呼びました。

すると、ベテランバンドも初期の音楽性を取り戻し、スラッシュメタルの人気は再燃。いまではヘヴィメタルシーンの主要ジャンルとして定着しています。

おもな特徴

  • ザクザクとしたギターサウンド(クランチサウンドとも言います。【 Crunch =ザクザクした 】の意味。)
  • 鋭角なリフ
  • リフ主体の楽曲構成
  • スタスタと走る速いビート
  • わめき散らすヴォーカル
  • 歌メロはほぼなし

スラッシュメタル四天王とは

スラッシュメタル四天王とは以下4バンドのことをいいます。

  • METALLICA
  • SLAYER
  • MEGADETH
  • ANTHRAX

スラッシュメタル黎明期から活動し、後続に大きな影響を与えたことから「四天王」、あるいは欧米では「Big 4」と呼ばれます。

四天王とはいえ、METALLICAだけが飛び抜けてビッグになってしまいましたが…。

なお、純粋にスラッシュメタルと呼べる音楽性を維持してきたのはSLAYERのみで、残り3バンドは時代によってサウンドを変化させてきました。

そんな四天王が初めて競演した奇跡のライヴが、2010年ブルガリアのソフィアで開催されたことも記憶に新しいところ。
当日はなんと8万人もの観客が集結し、あらためて四天王の人気の高さを見せつけました。

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スラッシュメタルおすすめの名盤18選

▶ 各楽曲30秒試聴できます!

1. METALLICA「Ride The Lightning」(1984)

まだまだ一部のマニアだけに支持されていたMETALLICAが、そのポテンシャルを開花させた2nd。

静と動のメリハリをつけたドラマティックな展開が増え、サウンドに深みと奥行きが増した。

と同時に、スラッシュメタルらしいアグレッションは本作が一番。

おすすめ曲:1、7

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2. METALLICA「Master Of Puppets」(1986)

全米チャート29位まで上昇し、それまでアンダーグラウンドだったスラッシュメタルが市民権を得ることとなった歴史的3rd。

攻撃性と構築美を兼ね備えたドラマティックなスラッシュメタルを確立したMETALLICAの最高傑作。

クリアながら重く鋭いギターサウンドも画期的だった。

おすすめ曲:1、2

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3. SLAYER「Reign In Blood」(1986)

スラッシュメタル界の帝王ことSLAYERによる、スラッシュメタルの最高到達点ともいえる最強の3rd。

徹底的にスピードにこだわり、アルバム一枚を30分足らずで駆け抜けていく。

限界を突破するアグレッションと不穏な旋律で、狂気と背徳の限りを尽くす名盤。

おすすめ曲:1、10

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4. SLAYER「Seasons In The Abyss」(1990)

ポピュラー音楽の対極に位置するSLAYERがまさかの全米チャートトップ40に送り込んだ5th。

3rd「Reign In Blood」のスピードと4th「South Of Heaven」のヘヴィネスを併せ持ち、バランスのとれた集大成的な内容といえる。

90年代に入り、他のバンドが「速さ」の追求をやめ「脱スラッシュ」を図るなかで、SLAYERのみがスラッシュの美学を貫きつづけた。

おすすめ曲:1、6

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5. MEGADETH「Peace Sells…But Who’s Buying?」(1986)

METALLICAを解雇されたデイヴ・ムステイン(Vo、Gt)が結成したバンドの2nd。

攻撃的かつテクニカルなサウンドは「インテレクチュアル・スラッシュ(知的なスラッシュ)」と呼ばれた。

ジャズ/フュージョンを通過したメンバーによる、トガッた演奏も聴きどころ。

おすすめ曲:1、3

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6. MEGADETH「Rust In Peace」(1990)

日本でもおなじみのマーティ・フリードマン(Gt)を迎え入れた4th。

スピーディーで緊張感溢れる展開に磨きをかけつつも、リフ、メロディともにフック満載に仕上げた名盤。

マーティとデイヴの火花飛び散るギターバトルにもシビれまくり。

おすすめ曲:1、7

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7. ANTHRAX「Spreading The Disease」(1985)

スラッシュメタルには珍しく”歌えるヴォーカリスト”ジョーイ・ベラドナが加入した2nd。

ストリート感覚の強いスラッシュメタルのなかに、正統派ヘヴィメタルの香りが漂う名盤。

ジョーイの加入がバンドの格を上げたことは間違いない。同時期にスコット・イアン(Gt)とチャーリー・べナンテ(Dr)が始めた別バンド、S.O.D.の「Speak English Or Die」も必聴。

おすすめ曲:1、2

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8. ANTHRAX「Among The Living」(1987)

前作に負けず劣らずの完成度を誇る3rd。

クランチリフがさらに硬質になり、タフなシンガロングなどハードコア色が前面に出た一枚。

緩急自在のリズムをパワフルに叩き出すチャーリー・べナンテはメタル界随一の実力派ドラマーだ。

おすすめ曲:2、6

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9. EXODUS「Bonded By Blood」(1985)

かつてMETALLICAのカーク・ハメットが在籍したUSサンフランシスコ出身のバンドの1st。

マシンガンのようなクランチリフと狂気を帯びたポール・バーロフのヴォーカルなど、すべてが「スラッシュメタルの教科書」といえる名盤。

純粋なスラッシュメタルとしての魅力は四天王を凌駕する。

おすすめ曲:1、9

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10. TESTAMENT「The Legacy」(1987)

スラッシュメタル第二世代ともいえるUSサンフランシスコ出身のバンドの1st。

フック満載の鋭いリフとウェットなメロディーを備えたドラマティックなサウンドは、正統派メタル好きにも響く一枚だ。

「Over The Wall」におけるアレックス・スコルニックの泣きのギターソロはメタル史に輝く名演。

おすすめ曲:1、6

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11. DEATH ANGEL「The Ultra-Violence」(1987)

USサンフランシスコ出身でフィリピン系のメンバーが在籍するバンドの1st。

平均年齢17歳ならではの初期衝動をぶちまける突撃スラッシュが爽快な名盤。

本作リリース前のデモテープをMETALLICAのカーク・ハメットがプロデュースしたことも話題となった。

おすすめ曲:1、4

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12. ANNIHILATOR「Alice In Hell」(1989)

カナダ出身のバンドの1st。

攻撃的かつ緻密なリフとシアトリカルな展開で独自のスラッシュメタルを確立し、日本でも高い人気を誇った。

ジェフ・ウォーターズによるテクニカルなギタープレイはMEGADETHを彷彿とさせる。

おすすめ曲:3、9

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13. OVERKILL「Ironbound」(2010)

USニューヨーク出身のバンドの16th。

ブリブリとした弾力あるリズムと強靭な鋼鉄サウンドは、ベテランの域に達しながらも若手以上にフレッシュに響く。

初期にも傑作は多いが、本作が最高傑作だと断言する。

おすすめ曲:2、3

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14. DESTRUCTION「Release From Agony」(1988)

SODOM、KREATORと並ぶ3大ジャーマンスラッシュメタルバンドのひとつであるDESTRUCTIONの3rd。

ツインギター体制となり、持ち前の神経質なサウンドにクラシカルな暗黒旋律をプラス。

ジャケット通りの狂気と苦悶に満ちたスラッシュメタルが完成した。

おすすめ曲:2、5

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15. SODOM「Agent Orange」(1989)

ドイツ出身のスラッシュメタルバンドの3rd。

本作でゴリ押しスラッシュとMOTORHEAD直系暴走ロックンロールの二枚看板を確立した。

トム・エンジェルリッパーの小汚いヴォーカルも粗野で良い。

おすすめ曲:1、7

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16. KREATOR「Terrible Certainty」(1987)

ドイツ出身のスラッシュメタルバンドの3rd。

やけくそに猛烈なスピードで突っ走る破綻寸前のスリルがたまらない名盤。

瞬間最大風速はスラッシュメタル史上最速だ。

おすすめ曲:1、2

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17. SEPULTURA「Arise」(1991)

マックス・カヴァレラ(Vo、Gt)率いるブラジル産バンドの4th。

研ぎ澄まされたリフと衝動が見事にシンクロした、SEPULTURAのスラッシュメタルバンドとしての最高到達点。

マックスのリフマスターぶりが最大限に発揮された名盤。

おすすめ曲:1、2

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18. CELTIC FROST「Morbid Tales」(1984)

ヘヴィメタルのダークサイドを代表するスイスのバンドの1st。

ハードコア色が濃いスラッシュメタルを欧州ダークネスで塗りつぶした漆黒の名盤。

世界の邪悪系メタルバンドに絶大な影響を与え、特にブラックメタルの誕生に大きく貢献した。

おすすめ曲:2、9

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【スラッシュメタル名盤18選】まとめ

以上、スラッシュメタルの名盤を紹介しました。

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